IPCR「移民・難民の表象分析と多様なアクターによる映像実践 ―アジア・アフリカにおける比較研究」第1回研究会 「地域研究と映像の交差、他者表象を考える」開催(2/17)


京都大学東南アジア地域研究研究所・共同研究会(IPCR)「移民・難民の表象分析と多様なアクターによる映像実践 ―アジア・アフリカにおける比較研究」の第1回研究会「地域研究と映像の交差、他者表象を考える」を開催します。
「メディア研究×映像制作×地域研究者」の他者表象の実践と可能性について多角的に議論し、実際の映像作品や制作過程をもとに考えます。


日時
: 2020年2月17日(月) 13:00-16:00
場所: 京都大学東南アジア地域研究研究所・稲盛財団記念館2階セミナー室(213)
詳細http://riporipo.com/ipcr/

 

プログラム:

1部

『病縁の映像地域研究ータイ北部のHIV陽性者をめぐる共振のドキュメンタリー』執筆と映像制作の視点から
     発表者:直井里予(京都大学東南アジア地域研究研究所)
     コメンテータ:王柳蘭(同志社大学グローバル地域文化学部)

2部:
イスラームxドキュメンタリー」短編学生映像4作品上映とデイスカッション
     コメンテータ:帯谷知可(京都大学東南アジア地域研究研究所)
     速水洋子(京都大学東南アジア地域研究研究所)
     野中章弘(早稲田大学教育・総合科学学術院アジアプレスインターナショナル)
デイスカッション(同志社大学学生x参加者)

 

発表要旨:
第1部
「『病縁の映像地域研究―タイ北部のHIVの陽性者をめぐる共振のドキュメンタリー』(京都大学学術出版会)執筆と映像制作の視点から」
映像は社会関係をどう映し出しどう変えるのか。京都大学学術出版会(2019年11月)から刊行した単著の内容をもとに、ドキュメンタリーと地域研究の可能性と課題を、文章と映像の往還による研究の背景と映像制作における視点から考える。
著書紹介 http://www.kyoto-up.or.jp/books/9784814002412.html

第2部:
「イスラーム×ドキュメンタリー」短編学生映像作品上映とディスカッション
映画公式HP http://riporipo.com/doshisha-pbs/

2019年同志社大学プロジェクト科目「グローバルビレッジを撮る・観る・創る~ドキュメンタリー映画制作を通して見つめる京のムスリムと多文化共生」で制作した学生作品を上映し、学生を交えてディスカッションを行います。

「Don’t be shy―あなたへのメッセージ」11分
監督:岡本詩希 撮影:松田顕吾 編集:小笠原瑞希、西田有佐
あなたは自分の語学力に自信がなく、海外の人と話すことをためらっていないだろうか?私たち大学生撮影者4人は大学院のビジネススクールに通うエジプト出身の学生と出会った。彼とのコミュニケーションツールは英語だが、私たちは流暢に話すことができない。手探りで関わり方を模索する 中、彼のある言葉から、関係の築き方に対する意識に変化が起きる。その変化とは一体何なのか。私たちの交流や彼のメッセージからグローバルな世界を生きるあなたは何を思うのか?

「グローバル・グローウィング~彼女達が教えてくれたこと」 20分
監督・撮影・編集:中尾一貴 撮影・編集:岩瀬眞未 酒井理紗
‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬4月頃、主人公が見つからず途方に暮れていた。すると信号待ちをしていた私たちの目の前に、ヒジャーブを被ったマレーシア出身のムスリムの留学生が3人現れた。そこから約3ヶ月、私たちは彼女たちを主人公にカメラを向けた。撮影をするにつれ、私たちの中で‪‬ムスリムに対するイメージが変わっていった。私たちに起きた葛藤や困惑とは?男性の視点から見たムスリム、女性同士だからこそ気づけたムスリムの日常とファッションに迫る。‬‬‬‬‬‬‬‬

「居場所」 10分
監督:久吉桂史 撮影:奥村勁仁 編集:山田茉琳
舞台は京都府八幡市。創立2年のイスラム教のモスクと、市民によるボランティアで運営されている日本語教室の日常を2か月にわたってカメラで追う。両者の活動を映しながら、その背景にある外国人住民数の増加や、今後の彼らの未来のあり方とは何かを問いかける。地域に新しく形成されつつある多文化共生社会の萌芽を描く。
‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬
「架け橋―京都とイスラーム」 17分(2020年版)
監督・編集:大谷真由 撮影:池田大介 中島雪乃 編集:高瀬悠多
インド共和国からシェフとしてやってきたラジャスさん。京都や滋賀でインド料理店を展開しながら日本人の妻と家族5人でここ京都に暮らす。仕事熱心で毎日休みなく働く彼は文化や宗教の分け隔てなく誰とでも仲良くなれる人。現在は地域の人々からも頼りにされる彼は、言葉も宗教も異なる国でどのような日常を過ごしてきたのか。彼の生き方、地域や家族とのつながりは、私たちに文化の壁を越えた「隣人」としての生き方を問う。

 


主催: 京都大学東南アジア地域研究研究所・共同研究会(IPCR) r移民・難民の表象分析と多様なアクターによる映像実践ーアジア・アフリカにおける比較研究

共催: 2019年度同志社大学プロジェクト科目「グローバルピレッジを撮る・観る・創る~ドキュメンタリー映画制作を通して見つめる京のムスリムと多文化共生

問い合わせ: 王柳蘭 rwangkan [at] mail.doshisha.ac.jp