IV-7.「極端気象リスク適応型社会構築のための国際共同研修の遠隔実施に関する予備的研究」(平成22年度 FY2010 新規)


  • 研究代表者:寶 馨(京都大学・防災研究所)
  • 共同研究者:水野広祐(京都大学・東南アジア研究所)
  • Mohmd Akbar Hussain(ジャハンギルナガール大学・社会学部人類学科)
  • Basuki Suhardiman(バンドゥン工科大学・情報リソースセンター)
  • Alvin Yeo Wee(サラワク州立大学・情報学研究科)
  • 木谷公哉(京都大学・東南アジア研究所)
  • 益田 岳(京都大学・学際融合教育研究推進センター〈極端気象適応社会教育ユニット〉)

研究概要

本研究は次世代遠隔会議システムを活用してユネスコIHP 国際水文学計画研修プログラムを遠隔トレーニングとして実施する際に生じる様々な問題を整理し、評価するフィージビリティスタディである。

詳細

アジアの研究ハブという国際共同研究拠点としての資質を高めるためには、地理的に離れたアジア各地との日常的な研究コミュニケーションのための基盤整備が求められる。ポリコムに代表される従来型の遠隔会議接続は、接続先が同等設備を所有しており該当時間帯に設備を占有でき、また接続先ごとに遠隔会議専門の技術者を必要とするという点において、非常にコストがかかり、また実施のハードルも高いものであった。本研究では技術トレーニングを行う会場の講師と、世界各地の受講希望者のコンピューターとを直接相互接続することで、講師と資料や質疑の共有等を通して遠隔トレーニングを実施できる次世代型遠隔会議システムを実地の研究コミュニケーションにおいて総合的に検証しようとするものである。

次世代遠隔会議システムではその仕組み上、専門の遠隔会議システムや設備、人員をもたない遠隔地であっても、参加者に移動のコストを強いることなく会議やトレーニング(研修)に参加できる。さらには参加者ひとりひとりがコミュニケーションの空間に直接「接続」されるため、参加者はより主体的に参加できるメリットがある。このような理論的なユーザーエクスペリエンスのちがいが実際の遠隔トレーニングにもたらす変化の評価とともに、経済性や柔軟性、技術的可用性について総合的に評価を行うことで、国際共同研究拠点のコミュニケーション・インフラストラクチュアとして次世代遠隔会議システムがどのように活用できるかについての知見を得ることが期待できる。


次世代型遠隔会議システムでは講師と聴衆を直接つなぐことができる。

従来型遠隔会議システムでは高画質で会議室同士をつなぐことができる。