IV-5.「東南アジア地域研究情報資源としての新聞の媒体変換による長期保存と共有化に関する基礎研究」(平成27-28年度 FY2015-2016 継続)


  • 研究代表者:小島浩之(東京大学・大学院経済学研究科・経済学部)
  • 共同研究者:村井友子(日本貿易振興機構・アジア経済研究所・図書館)
  •                      矢野正隆(東京大学・大学院経済学研究科・経済学部)
  •                      木谷公哉(京都大学・東南アジア研究所)
  •                      石川一樹(東京大学・総合図書館)
  •                      大野美紀子(京都大学・東南アジア研究所)
  •                      土佐美菜実(日本貿易振興機構・アジア経済研究所・図書館)
  •                      小林磨理恵(日本貿易振興機構・アジア経済研究所・図書館)
  •                      高橋宗生(日本貿易振興機構・アジア経済研究所・図書館)
  •                      石井美千子(日本貿易振興機構・アジア経済研究所・図書館)

研究概要

東南アジア地域研究の拠点となっている国内外の大学・研究所が収集する東南アジア諸国の新聞を媒体変換により長期保存し、共同利用を推進するためのプラットフォーム形成について検討する。

初年度には、新聞の媒体変換に関する技術的課題と新聞の共同保存・共同利用を推進する上で留意すべき法的課題について検討を行ったので、2 年目である今年度は、初年度の検討結果を踏まえ、東南アジア地域研究拠点となっている大学・研究所間で構築可能な共同保存・共同利用ネットワークについて具体的な検討と提案を行う。

詳細

本研究の目的は、国内外で東南アジア地域研究の拠点となっている大学・研究所の図書館・資料室の間で、東南アジア諸国の新聞の媒体変換による長期保存と共有化を目的としたプラットフォームを形成し、新聞情報を活用した東南アジア地域研究の新たな研究展開を図ることにある。

この目的を達成するために、以下の3 つの課題に取り組む。
①新聞の長期保存に最適な媒体変換技術(マイクロフィルム化、電子化)とその技術的課題に関する検討。
②複数の図書館・資料室で新聞の共同利用・共有化を実現するにあたり、留意すべき法的課題(著作権等)に関する検討。
③新聞資料のシェアードプリントと共同利用のためのネットワーク形成に関する具体的検討と提案。

新聞は、学術的に地域研究の重要な一次情報である一方、本来の役割は短期的な情報伝達にあるため、その紙質や物理的大きさは図書館での長期保存に適したものではない。このため図書館では一定期間での原紙廃棄が常態化しており、何らかの形で情報の保存・共有を図る必要がある。国内東南アジア研究拠点において、研究上の基礎資料となる新聞の共同保存・共同利用について技術的・法的な部分からの方法論を確立することは、ひいては東南アジア全域における研究情報資源の共有化と拡充を推進する上で有用である。

新聞の長期保存と共有化を両立し得る保存方法や公開方法を、技術的・法的側面から確立することで、図書館間における新聞アーカイブの共有化を進展させ、東南アジアの新聞を研究者がこれまで以上に利用しやすくなる基盤整備につながるものと考えられる。

 


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