IV-2.「東南アジアにおけるセクシュアリティの比較政治研究─民主化とグローバル化時代の性的マイノリティ─」(平成28年度 FY2016)


  • 研究代表者:伊賀司(京都大学・東南アジア研究所)
  • 共同研究者:岡本正明(京都大学・東南アジア研究所)
  •                      日下 渉(名古屋大学・大学院国際開発研究科)
  •                      小島敬裕(津田塾大学・国際関係学科)
  •                      今村真央(山形大学・人文学部)
  •                      坂川直也(フリーランス研究者)
  •                      初鹿野直美(日本貿易振興機構アジア経済研究所・バンコク研究センター)
  •                      田村慶子(北九州市立大学・法学部)
  •                      青山 薫(神戸大学・国際文化研究科)
  •                      新ケ江章友(大阪市立大学・創造都市研究科)
  •                      北村由美(京都大学・附属図書館)

研究概要

本研究の目的は、民主化とグローバル化によって変容する現代の東南アジアにおけるレズビアン、ゲイ、バイセクシャルやトランスジェンダーなどの性的マイノリティ(以下、LGBT)の政治参加の実態と彼らを取り巻く国家や社会の対応を比較の視点から明らかにすることにある。研究の進め方として、1)LGBT の社会運動、2)国家、3)社会、4)司法の相互に関連する4 つの分野に焦点をあて各国毎と各国間比較の分析を進める。

詳細

本研究の目的は、民主化とグローバル化によって変容する現代の東南アジアにおけるLGBT の政治参加の実態と彼らを取り巻く国家や社会の対応を比較の視点から明らかにすることにある。研究を進めるにあたり、1)LGBT の社会運動、2)国家、3)社会、4)司法の相互に関連する4 つの分野に焦点を当てて分析を行う。1)LGBT の社会運動の分野では、LGBT の社会運動が取る戦略や組織の実態把握とともに、近年の東南アジアの民主化とグローバル化が各国のLGBT 運動に与えた影響を明らかにする。2)国家の分野では、国家のLGBT に対する政策やイデオロギーの分析および、それらと実態の乖離を分析することを通じて各国家の特性を明らかにする。3)社会の分野では、歴史的経緯や宗教を踏まえつつ、近年の一般社会のLGBT に対する「眼差し」の変化を明らかにする。4)司法の分野では、各国におけるLGBT の法的地位や裁判での争点の分析を通じて1)~3)の視点で明らかになる論点を補足・拡充する。

本研究を通じて東南アジアにおけるa)「民主化の質」とb)グローバル化浸透の現地点を明らかにすることができる。性的マイノリティを国家や社会がどう扱うかは選挙実施に限定されない民主化の実態を明らかにする恰好の指標であり、従来の選挙民主主義以外の観点から東南アジアの民主化を再検討することができる。また、欧米で活性化したLGBT 運動やその思想が如何に東南アジアに浸透し、現地の社会や国家にどんな反応を引き起こしているか、また、東南アジア域内でどのように相互の影響があらわれているかを見ることで、グローバル化の現地点も明らかにすることが可能である。

 


国際シンポジウム:アジアにおけるLGBT の政治──国家・宗教・家族の性言説と介入を解体する

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